2017年7月31日に五反田で弊社プロトスター株式会社が開催したのが今回レポートをするStarBurst Demo Day #3

今年5月にMBOを実施した際に起業家コミュニティ名をSupernova(スーパーノバ)からStarBurst(スターバースト)に変更。
今回は、その変更後はじめてStarBurstとして行なうDemo Dayとなった。

起業家コミュニティStarBurst(スターバースト)

StarBurstについて説明をしていく。StarBurstは弊社Protostarが行なう新産業創出を目指すスタートアップのための起業家コミュニティという位置付けをしている。

起業家コミュニティとは何だという質問があるだろうが、応募自体は既存のアクセラレータ等のようにフォームから応募、選考、採択と流れるイメージである。

しかしながら既存のアクセラレータと大きく違う点が2つある。

1つ目はHardTech領域の企業のみを対象としていること。HardTechとはIT化率が低く、ドメスティックな改革が求められる大きな産業をゲーム・チェンジしていうことを総称する言葉である。

2つ目はプログラム卒業という概念を消したこと、これは即ちStarBurst採択企業はどの成長フェーズ全てにおいてコミュニティ内に居続けることを意味しておりフェーズ・ラウンドの異なる起業家が混在するコミュニティを形成できている。

3つ目は場所という概念を消したこと。これはシェアリングオフィスなどを提供せずに、下記記載のイベント時のみ集まる場を提供するという、起業家自身の自主・自律的な関与を促すスタンスで運営を行っていることが挙げられる。

更に現在は採択企業に向けて大きく分けて2つのメリットを提供している。

1つ目は資金調達支援。エンジェルラウンドを含むProject~Pre SeriesAまでの国内でアクティブなほぼ全ての投資家側のプレイヤーと接点がある弊社ならではの中立的観点からの支援。具体的には最適な投資家をお繋ぎすることを意味しているが、それ以外にも全員がベンチャー投資の経験がある経営陣ならではの資本政策やデットファイナンス支援なども適時行っている。

2つ目は起業家同士のコミュニケーション。お互い全く異なるジャンルの企業ながらも、HardTech領域ならではのナレッジの共有や課題解決のアプローチなど、コミュニティの強みを最大限発揮する形で起業家同士の情報交換の場を提供している。

また採択企業が参加できるイベントとしては、月一回開催する非公開な形でのメンタリング、Gear Change Day、半年に一度オープンな形で開催するDemo Dayの二種類を行っている。

※StarBurstの詳しい資料はこちらから

Demo Day #3のピッチ企業をご紹介

Pulit

それではDemo Day#3の登壇企業を見ていこう。

トップバッターとして登壇したのはPulit(プリット)のCTOキム氏だ。
Pulitはコンテンツへ埋め込むことのできる電子透かし技術(RIC)を保有しているスタートアップだ。この技術によりコンテンツプロバイダーが有するプラットフォームを不要として、コンテンツホルダーとユーザーを直接結ぶことができるようになる。

この為、ユーザー目線で考えると専用アプリを必要としない環境下でも、コンテンツホルダーから直接コンテンツを視聴することができるようになり実映像コンテンツへのアクセスの頻度があがることが予想される。またコンテンツホルダー側からしても、単一コンテンツごとの配信が可能に成るため、コンテンツ1つ1つに沿った形でのマーケティング施策を行なうことが可能になる。

特許の問題等によりスライドをお見せ出来ないことが残念だが以下の概念図をご覧頂くと同社の優位性がよくわかるだろう。

(出典:Pulit

Link:Pulit

A10Lab

続いて登場したのはA10Lab(エーテンラボ)のCEO長坂氏だ。A10Labは三日坊主防止アプリ「みんチャレ」を開発しているスタートアップである。

みんチャレ:App Store / Play Store

みんチャレは習慣化に特化したアプリであるところが非常に面白い。どういったシステムか解説すると新しく習慣化したい事柄(ダイエットや早起きなど)を選び、募集中のチームに参加するか、新しくチームを作り5人組のチームを形成する。この中で習慣化したことを写真形式で報告し合っていくというシンプルなシステムある。5人という数字にも拘りがあり、一番持続率があがるグループの単位なのだという。

これだけで習慣化が実現できるの?と疑問に思う方も多いだろうが、事実みんチャレの習慣化達成率は一般的な習慣化率(ダイエット継続率は8%と言われる)の8倍もの数値を記録しており、今後は習慣化させたいプログラムを持つ企業との提携を行っていくことでアプリ内のユーザーの習慣化メニューを広げていく方針だ。

また、このA10Labはソニー株式会社の新規事業創出プログラムであるSeed Acceleration Programからスピンアウトして生まれたスタートアップであり、近年増えている事業会社からのスピンアウト型起業をまさに象徴している企業とも言えるだろう。

Link:A10lab

woem


次にプレゼンを行ったのはwoem(ウォエム)、CEOの屋冨祖氏。

woemはLAUNE(ラウネ)という美容オンラインマガジンサイトの運営、肌の年齢を可視化し、最適なスキンケアのレコメンドを行なうアプリBefyの開発を行っているスタートアップだ。

ビューティーテックと呼ばれるジャンルで、一人一人異なる肌質のデータを収集しその収集データを元に通販サイトでのレコメンド精度の工場や自社OEM化粧品開発などを行っていく予定だという。顧客からすると公平な立場からのスキンケアの紹介が欲しいが、既存の対面レコメンドなどはセールス用途と受け止められており、課題の解決に繋がっていないという。

ちなみになぜ美容系スタートアップなのに男性CEOなのかという疑問が出そうだが、屋冨祖氏自身も肌の悩みを抱えておりそうした自身の原体験から、肌の悩みを抱える人が年代層を問わず7割もいることに衝撃を受けた。それが今の事業立ち上げのきっかけとなっているとのことだった。

Link:woem

BizteX

続いて登場したのはBizteX(ビズテックス)のCEO、嶋田氏。

BizteXはクラウド型RPAを提供するスタートアップ。RPAとはRobotic Process Automationの略で、企業内でルーティンワークと化した定型業務を自動化することで業務効率化を図ることが可能になるサービスを提供する。

直近ではジェネシアベンチャーズより資金調達を行っており、クラウド型RPA 「BizteX cobit」のクローズドβ版を、2017年7月20日から法人の向けに提供を開始している。

こちらもスライドの公開ができない為、この写真のみとなってしまうが会場からの競合優位性について質問が及んでいた。同社のプレスリリース資料にもある通り、そもそも既存のRPAは条件設定を細かく行なうことが求められそれら定義付けだけで数ヶ月にも及ぶ時間を費やしてしまう導入ハードルの高さが課題としてあったこと、それに対してBizteX cobitではUIを改善しプログラミングを不要にしたことで企業のサイズに問わず業務効率化を図りたい企業が導入できるようになっている為、競合優位性が保たれるとの回答を行っていた。

Link:BizteX

MiddleField

続いて登場したのは、MiddleField(ミドルフィールド)CEO、中山氏。

カスタムカー用のパーツの紹介・販売を行なうマーケットプレイス・サイトGarage、そのオウンドメディアであるMotorzを運営するスタートアップだ。

一見しただけでは、非常にニッチとも思える領域なのだがターゲットのユーザーは昨今話題になる車離れの層は別で、十分なマーケットの可能性があるとのプレゼンだった。そもそも中山氏自身がこの領域に関して詳しいというバックグラウンドが大きい。

実は国内レーシングチームでの勤務歴を持つ中山氏。それゆえ、カスタムカーを取り巻く環境の課題について性格に把握している印象を受けた。何よりお伝えしたいのは、プレゼンの上手さでピッチ中イベント参加者が全員正面を向いて聞いている、引き込むプレゼンだった。

このプレゼンには裏話があり、こちらに別途記事を掲載したのでぜひ読んでいただきたい。

Link:MiddleField

シェアメディカル

シェアメディカルのCEO、峯氏のプレゼンは衝撃的なものだった。

ITリテラシーが高くない医療従事者でも簡単に扱える医療従事者向けコミュニケーションツール、(医療版LINEと呼ばれる)「メディライン」やNewsPicksで850pickを越える注目度を集めた医療版Uberとなる、スマート往診システムの開発・提供を行なう同社。

過去より数度非公開な場でシェアメディカルのプレゼンを見たことがあるものの、このDemo Dayでのプレゼンはその何れとも違う内容について語っていた。「今日は医療制度の崩壊をお伝えしにきました」と峯氏が語ったように、日本の医療制度の崩壊についてサービス紹介より多くの時間をかけ厚労省のデータを元に、丁寧にピッチを行っていた。

シェアメディカルはこうした日本の医療制度崩壊の先にどうやって業務効率化を実現しながら、潜在医療従事者層を医療に携わってもらうことができるか、そしてそれをサスティナブルな形で提供できるか、という課題について真正面から取り組んでいるスタートアップであり、まさに弊社で表現するところのHardTechと言うべき領域であろう。

余談だが、この課題感の共有は多くの共感を呼び、その後の懇親会でも医療制度の話をしている場面を何度も目にした。

Link:シェアメディカル

POL

発表者トリを務めたのはPOL(ポル)のCEO加茂氏。POLはLabTechと称するテクノロジーを使って研究関連市場を改革していくスタートアップだ。具体的には理系学生の研究データベースLabBase(ラボベース)を通して理系人材の就活支援を行なっている。

加茂氏自身も現役の理系東大生で、研究の多忙さに加え、研究室という狭いコミュニティゆえの視野の狭さや理系学生向けの情報の少なさに課題感を抱いていたという。

具体的に現在の理系人材を取り巻く環境は開かれたマーケットとはいえない環境になっているそうで、理系学生の7割が研究室OBの紹介もしくは教員・学科の推薦により就職先を選択している状況になっている。

この現状を踏まえて、POLでは全国100名に及ぶ理系学生のネットワークを武器に、理系学生自身にLabBase上で研究内容・研究実績・スキル・指向性などを記入させ研究内容ごとデータベース化させることで、企業側から研究内容を踏まえて学生にオファーが来るサービスを提供している。

この堅実なサービスに加え、LabBaseのオウンドメディアであるLab-Onが順調に推移していることも発表された。

Link:POL

 結果発表

今回のDemo Day #3のピッチの中から審査を行い結果を発表した。

審査員は弊社CEO前川、CCO栗島、新COO山口に加え、Supernova(旧名称)時代よりご支援をいただいているDraper Nexusの中垣氏の4名が務めた。

審査結果は以下の通り。

優勝:MiddleField

準優勝:POL

三位入賞:woem

オーディエンス賞:POL

プレゼン中がはじまると同時にイベント参加者の心をわしづかみにしたMiddleFieldが優勝、POLは惜しくも優勝を逃したものの、準優勝とイベント参加者が選ぶオーディエンス賞とのダブル受賞という結果になった。三位入賞には、男性参加者が多かったイベントながらも関心の高さを集めていたwoemがランクインした。

なお、イベント終盤には弊社からの重大発表として、COOに山口豪志氏が、社外取締役に元ガリバー専務取締役の吉田氏が参画すること、新しくProtoStarサロン/ProtoStar顧問のサービス提供を行っていくことを合わせて発表しました。

Link: PR Times(プレスリリース)

  • ProtoStarサロンはオンラインサロンでの弊社メンバーからも情報提供、当会員向けメディアの閲覧権限、月1-2回の実イベントにご招待させていただくサービスが受けられる。(月額3,000円)
  • ProtoStar顧問は起業家(CxO)限定のNDA締結済コミュニティへの参加、資金調達支援、元ガリバー吉田氏による組織力強化ワークショップのサービスが受けられる。(月額30,000円)

詳細・申込みはこちら

なお記事公開時点ではStarBurstの9月期をご応募を絶賛募集中です。我こそはHardTechだという起業家の皆さま、こちらよりご応募ください

(記事内写真:撮影:Kanae Suzuki